傾聴20160911

群発頭痛と云う病をご存じだろうか? 病、と云うか慢性頭痛の一種なのであるが、実は、僕の持病でもある。有病率は0.056%~0.4%程度(1000人に1人程度)、20~40歳代の男性に多い。既に、僕は20年近くの付き合いになる。

どんなものかと云えば、あくまで僕の場合だが、1年に1度、群発期と云われる 「痛み」 のおこる時期がやって来る。そしてこの群発期には、毎日、痛みが訪れるのだが、不思議なことに痛むのは1日に1度(1時間~2時間)であり、日内でも群発期がある格好なのだ。つまり、群発期が入れ子構造になっている訳である。

なんとも奇妙な頭痛なのだが、この痛みたるや凄まじい。目の奥が抉られような激痛である。はっきり云って耐えがたい。対処としては、予防薬を飲んで1日1度の発作を回避しつつ、それでも時として起こる発作には、相性の良い頓服を服用して痛みを抑えることしか出来ない。何故、予防薬が効かない日があるのか、どうして頓服を使っても効かない日があるのかは、全くもって不明である。

と云う訳で、ここ1か月ほど僕はこの群発頭痛の群発期のなかにいた訳である。いやはや厳しい日々だった。薬でコントロール出来ず発作が起きた時の痛み……そうでなくても、痛むのではないかとの予期不安もあり日常生活が大きく障害される。なにしろ発作の誘発因としてアルコールがほぼ100発100中であるため飲酒も出来ない。

そんなこんなで暗黒の日々を過ごしていたのだが、どうも昨日から様子が変なのである。この頭痛、発作の前には予兆の様な鈍い痛みがある。予防薬を減らしたり、予防効果を超えて痛み出す前などに起こるのだが、既に群発期に入って1か月を超えているため薬を減らしており、ここ数日はしばしば予兆があった。それが、昨日はなかったのである。これはもしや……晴れて群発期を明けたのか……? と云って、油断大敵。すこし様子を見なければ。

だが、群発期終了ならばこれほど嬉しいことはない。また来年までこの苦しみとはお別れである。加齢によって治るとも、発症から約20年で治るともいわれているこの頭痛。僕もそろそろ終了しても良いと思うのだが……。と、つい長々と書いてしまったが、書きたかったのは頭痛そのものの事ではない。俗に 「痛み」 は本人にしか判らないと云われる。確かにその通りだし、ここで訴えた僕の窮状についても人に伝えるのは難しいものである。

ただこれは、「痛み」 に限った事ではない。他者の心情についても同じことが云える。究極的には本人にしか判らないのである。けれど、そこを、どれだけありありと、ひしひしと、あたかも自分の事の様に想像できるか、と云う事が、「共感」 だの 「寄り添う」 だのと云う時に重要なのだと思う。今回こうして身体の 「痛み」 を抱え、人から尋ねられるままに状況を語るとき、改めてその難しさを実感した次第である。


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