心理カウンセリングとはなんなのか?
「心理的な援助を必要とする人(クライアント/相談者)に対し、その人にとって望ましい変化が生じることを意図して、科学的な知見に基づき、主に対話を通じた人間理解と援助とを行うこと」である。と、差し当たり、そう云うことが出来ると思います。そして、世にカウンセリング理論&手法の数は膨大にあるものの、そのベースにあるのは「傾聴」です。「話し相手サービス」と同様に対話(話すこと)の機能を通じて「クライアント/相談者」の気持ちを分かち合い、さらに、その人にとって望ましい変化が生じることを意図した「理解と援助」のプロセスが「心理カウンセリング」だと云えます。その意味では「良質な聴き手/話し相手」はそれだけでカウンセリング・マインドを持っており、ある程度以上のカウンセリング効果を生むのだ、とも云えると思います。「人生相談」や「身の上相談」との違いは?
ところで、ともに心理的な「相談」の面を持っているということで、カウンセリングは、「人生相談」「身の上相談」と同様に考えられてしまうことがあります。ですが、「人生相談」「身の上相談」は、云ってみれば「知っている者」が「知らない者」に教えるタイプの相談です。何でも知っている先生に教えを乞うスタイルと云っても良いかも知れません。つまり「クライアント/相談者」が知らない「答え」が予め何処かにあると想定している訳です。カウンセリングはそうではありません。その人にとって大切な、個別的で心理的な「悩み」や「問題」について、万人に当てはまるような一般的な「答え」など存在しません。逆に「クライアント/相談者」の数だけ「答え」はあり、そして、その「答えは」その人だけのものなのだ、と考えるのがカウンセリングです。カウンセラーは「答え」を知りません。対話を通じてクライアントが「答え」を見出し、カウンセラーはその過程を「真摯」に「誠実」に「全力」で支援するのがカウンセリングです。助言や指示ではなく、ともに「悩み」一緒に「答え」を模索するタイプの「相談」だと云っても良いのかも知れません。。具体的にはどんなことをするのか?
では、カウンセリングではなにが行われるのでしょうか? まずは「傾聴」と云うことになります。「心の浄化/カタルシスが生じる」「気持ちや考えがまとまる」「自分を受け入れていく」「感情や経験をしかるべき場所に収めていく」と云った、対話そのものが持つ機能の活性化を図ります。と同時に、その人が捉われている「ものの考え方」や「受け取り方」を望ましい方向へ変化させたり、あるいはまた「クライアント/相談者」自身が自分でも気づいていない自分の能力&長所(資源)を発見したり、自身の解決イメージを膨らませたり、と云ったことの援助を行うのが、ここで云うカウンセリングとなります。たとえば「傾聴」ひとつとっても、ただ黙って聴くだけではないでしょう。ときに「問う」こともあれば、「提案」することも、ともに「悩む」こともあるでしょう。それは「自分のこと」であっても「対人関係」であっても「方法の模索」であっても同じです。関連記事
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