カウンセリング20160306

判ってはいても、なかなか云えない言葉と云うものがある。
そのひとつは 「ありがとう」 ではないだろうか?

感謝の言葉。それが対人関係を円滑にする事くらい云われなくても判っている。
人に何かをして貰ったのなら礼を云うのは当然だろう。子供の頃からそう教わっても来た。
だが、日々を送るなかで、僕たちは適切に 「ありがとう」 と云えているだろうか?

逆に、なにかにつけて 「ありがとう」 を多用している人も良く見かける。これは、相手に対してダウンポジションをとる事で、相手から擁護を得て自らの立ち位置を防衛しようと云う無意識の意図からなのだろうが、本来的な「感謝」からはほど遠い。

とは云え、そう云う使い方が出来ると云う事でもある。「ありがとう」 が云いにくい理由。ひとつは「照れ臭い」からだが、それは相手より下に立つ事を、改めて認めるからでもあるだろう。或いは、そのポジションに立つ事が自尊感情を傷つけるからかも知れない。つまり 「ありがとう」 は相手を高く評価する言葉でもある。相手の存在を認める言葉。

「承認欲求」 を満たす言葉を投げられて悪い気がする人などいない。「ありがとう」 と云われ、それだけで気分を害する人などいない。先に述べた様に「ありがとう」 は感謝の言葉。して貰った事柄に対する感謝。それ以上でも以下でもない。僕たちの人格全般を云々する言葉ではないのである。ならば素直に口にしたいところ……と云うのは易しい。

親しい関係になればなるほど、深く感謝してればいるほど、口にし辛いのも事実。慣れの問題でもある。例えば、自分が客の時。BARでも居酒屋でもレストランでも喫茶店でもなんでもいい。注文が運ばれてきて際に、サラリと 「ありがとう」 と云ってみると良い。比較的簡単で慣れるのにちょうど良いと思う。マナーとしてもスマートだ。そしてきっと気付くと思う。それを云った時、なんとなく自分がポジィティブな心持ちになっている事を。


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