チャット相談_20160324

電話と違って 「チャット」 での相談と云うのは、僕もまだそれほど経験がある訳ではない。だが、幾らか試してみて 「これは悪くないぞ」 と云う実感をもったので、今日は少し考えてみたい。

SNSが普及した今となっては 「チャット」 には如何にも前時代的な響きがある。チャットを知らない方がいるかも知れない状況なので、説明すると、“チャット (chat) とは、インターネットを含むコンピュータネットワーク上の、データ通信回線を利用したリアルタイムコミュニケーションのこと”(Wikipedia)。しかも最近では、動画をつかったビデオチャットや、ゲームをしながら音声のやり取りをするボイスチャットなるものも登場している。ここでは文字で行う標準的なテキストチャットを考えたい。

僕がチャットに傾倒したのは社会人になり立ての頃なので、それなりに昔と云えば昔のことなのだが、夜な夜なネットでしか繋がりのない人達と語り明かしたものである。楽しかった。いまはLINEやSkypeなどに押されて斜陽なツールの感は否めないが、LINEは原理としては非同期のチャットツールだもと云えるし、Skypeにもテキストチャットの機能がついている。これらの利用者は多い。

で、あるならば……と、再びチャットに着目してみた訳である。思い返せば、僕はチャットを良くしていた。ハードチャッター (そんな言葉あるのかどうか知らないが) だった。では、そこで何が語られていたのか。それは日常を共有しない人達との 「雑談」 である。日々の出来事や、社会的な出来事について、あるいは相談や、ネット上での人間関係についてとか、様々である。コミュニティが出来上がる場合もあったので、当然、恋愛もあったりする。とにかくリアルを共有していないので、たとえば相談なら、どんな相談もできると云う訳である。もちろんこれは他のSNSも似ているのかもしれないが。

確かに、良く真夜中に話を聴いて貰った事がある。リアルな日常の人間関係のなかでは語れない事や、逆に、リアルでの出来事をチャットで相談すると云うのも良くあった。日々を共有しないから、出来る相談と云うやつである。但し、問題がないわけではない。そう云う場であるので、要は、みんな自分の事を語りたい訳である。当然、コミュニケーションなので 「お互いさま」 でそれぞれ譲り合って話すわけだが、なかなか、じっくりと、話したいだけ聴いて貰うと云う訳にはいかない。そもそも相手の相談に乗るスキルや、話を聴くスキルが欠けていると云うケースも多い。そんな訳で、チャット相談でも、チャット・カウンセリングでも、何でもよいのだが、チャットに着目したのだ。

チャットの特徴としては、リアルタイム (同期) コミュニケーションと云うのがある。とにもかくにもツールの向こう側には 「いま」 相手がいる訳である。不意に相手の応答に間があけば 「なにか悪い事云ったかな?」 「考えているんだな」 とか思うし、逆に次々と台詞が入力されて来れば 「おっ、ノッてるね」 「ここが云いたかったんだな」 「そう怒るなって」など。雰囲気や息遣い。感情の動きが伝わって来る。また人によって異なる、特徴的な台詞まわしや言葉遣いによって、個性を窺がう事もしやすい。このあたりはメールやLINEでは味わえない感覚と思える。

一方、電話だとどうか。電話の場合は距離感がもっと近い。それこそ肉声でのやりとりとなるので、抵抗感は増すだろう。初めての人と電話する時の、ある種の緊張感を思えばよい。その点、チャットは少し相手との距離が取れる(無論、逆に電話の方が、より親密なやり取りが出来る事の裏返しである)。これもチャットに着目した一因である。

そんな訳で、相談やカウンセリングにおいて、僕が考える 「チャット」 の利点をまとめておく。

相談やカウンセリングにおけるチャットの利点

・日常を共有しないが故にどんな事でも話しやすい。(チャットに限らないがチャットにもある利点)
・文字を介してのコミュニケーションなので知らない相手と話す抵抗感が少ない。
・文字を介してのコミュニケーションなので相手との距離を取りやすい。
・入力の時間を前提とするので、じっくりと言葉を読み、また応答も吟味できる。
・リアルタイムに会話が出来るので感情のやりとりを損ないにくい。
・リアルタイムの会話なので 「いま・ここ」 を共有しやすい。

と、こんなところではではないかと思う。もちろんデメリットもあるだろうが。

そう云う意味では、電話でもまだ話しづらいと云った場合や、メールではどうも一方的で 「会話感」 や 「やりとり感」 がないと云う場合に、非常に有効なコミュニケーションツールだと考えているのだが、僕だけだろうか。


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